2012年11月28日

鹿児島までは行けないらしい

前回書いたように、人は単独で沖合いを泳げないことがわかった。その結果として、以前からぼんやり考えていたことだったのだが、
沖縄から鹿児島まで泳いで行くのは無理なことがわかった。

「泳いで沖縄本島1周」は10年位前に何も調べずにトライしてうまくいかず、今年の夏にきちんと準備して
再トライしたらうまくいった。これと同じくらい昔から、「泳いで沖縄から鹿児島まで行けないかなあ」と思っていた。
今回の「泳いで沖縄本島1周」の結果次第では、次の目標はひょっとすると「単独で沖縄から鹿児島まで泳ぐ」かもしれないと思っていた。
それほど真剣には考えておらず、アイデアの状態だったが、でもちょっと調べていたのだ。

カヤックだと、単独で、島伝いに沖縄本島-与論島-沖永良部島・・・という具合に進んで鹿児島まで行った人が
それなりの数いる。海況のいいときに島から島に渡って、休養と海況待ちをしてまた次の島へ渡って・・・を繰り返す。
これと同じように出来ないかと思っていた。島と島の間で、一番距離が長いところでも70kmない。
宿に泊まることにすればテントやマットなどの荷物は要らない。
背中に乗せるのは食料・水・夜に水面に浮かべて寝る為のエアマットのみだ。1日20kmちょっと泳いで、
夜は水面に浮かべたマットで寝る。夜が明けたらまた泳ぐ。一番長いところでも2泊3日でOKという考えだった。
海がすごく静かなら、試したことはないがエアマットで寝られるんじゃないか?なんて想像していたわけだ。

よしだは初めての沖縄はフェリーで行った。鹿児島から島伝いに進むフェリーは物凄く濃い紺色の水を進むのだが、
その濃紺の水の上で砕ける波の泡がとても白く、コントラストが印象的だった。トビウオが遠くまで飛んでいくのが
よく見えた。その時は海がすごく静かで水面がトロリとしていて快適に泳げそうだった。よしだは孤独願望、
荒地願望があるようで、「こんな何もないところを1人でを泳いでいけたらステキだなあ、気持ちいいだろうなあ」と思った。

この考えを人に何度か話したことがあったが、否定的な意見が多かった。当たり前だ。
「どうやって休むの?」「流されちゃったらどうするの?」などなど。沖縄のシーカヤックの草分け的存在である諸喜田さんは
カヤックで沖縄から奄美大島まで行って、そのままカヤックレースに出場して優勝してしまうという伝説がある人だが、
聞いてみたら「無理だなあ」ということだった。

でも、めげずになんとなくアイデアとして暖めている状態は続いていた。10年続いていた。
だが、今回初めて長距離を泳いでみて、ちょっとだけ沖合いも泳いでみて、このアイディアは無理なことが自分で分かった。
最初から分かれよという話だが、よしだは人様がそう言って下さっているというのに自分で納得しないと
納得できないという困った性質だ。ヒトはもっと海を自由に泳げると思っていたのだ。外洋だって計画とトレーニング次第では
単独で泳げるはずだと思っていた。カヤックだって出来るんだから泳いでも出来ると思っていた。でも、どうもそうではない。
単独で広い海を泳ぐのは手に羽を持って高いところから飛び出すのと似ている。自力で自由に空を飛べたら
楽しいだろうけれど、ヒトにはできない。これは努力したら何とかなるという性質のものではなく、
無理なものは無理だ。

ただし、沖縄-鹿児島泳断も伴走船をつけて、疲れたら船で休んでよいという条件にすれば、本当に泳力のある人なら
できるのかもしれない。でも、そんなんじゃあつまらないしねえ。伴走船なしだと、10回に1回くらいは成功するのかも
しれないけれど、それじゃあ困るしねえ。

Posted by よしだ at 09:44│Comments(0)
 
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